その溶接、本当に必要ですか?
― どんな曲げRでも”一度に”曲げる技術
小さなRも大きなRも、1本のパイプの中に混在していても大丈夫。ドロー曲げとロール曲げを1台でこなす加工技術をご紹介します。
パイプを曲げるとき、曲げRの大きさが違うせいで「ここは別々に曲げて、あとで溶接してつなぐ」という工程が必要になることがあります。でも、その溶接。本当に欠かせない工程でしょうか。ドロー曲げとロール曲げを一度にこなせる機械を使えば、溶接でつなぐ必要そのものがなくなります。まずは動画でその動きをご覧ください。
- ドロー曲げとロール曲げ、2つの曲げ方
- 「大きなR」ってどのくらい? 使い分けの基準
- 最大8金型で、いろんなRを一度に曲げきる
ドロー曲げとロール曲げ、2つの曲げ方
パイプの曲げ方には、大きく分けて2種類あります。ドロー曲げとロール曲げです。
ドロー曲げは、パイプベンダーでよく使われる一般的な方法。パイプをクランプでしっかり保持したまま、引っ張りながら曲げていきます。金型に巻き付けるようにして曲げRをつくるのが特徴です。
いっぽうロール曲げは、3本ロールのように回転する機構部にパイプを保持させ、押しながら曲げRを生み出す方法です。この2つは、得意な曲げRがはっきり分かれています。
| ドロー曲げ | ロール曲げ | |
|---|---|---|
| 曲げ方 | クランプで保持し引っ張りながら曲げる | 回転機構で押しながら曲げる |
| 得意な曲げR | 小さなR | 大きなR |
| Rの調整 | 金型で決まる(固定) | 角度を変えるだけで自在 |
「大きなR」ってどのくらい?
「小さいRはドロー曲げ、大きいRはロール曲げ」とお伝えしましたが、その境目はどのあたりなのでしょう。目安はパイプ径の10〜15倍程度。これより大きければ、ロール曲げの出番です。
たとえばΦ25のパイプなら、R250以上でロール曲げが可能になります。
大きな曲げRは、ロール曲げの角度を変えるだけで調整できます。だからR500でもR1000でもR1500でも、同じ金型で生成できます。
いっぽうドロー曲げは、金型に巻き付けてRをつくるため、決まった曲げRでしか曲げられません。この違いが、次の「一度に曲げきる」強みにつながります。
最大8金型で、いろんなRを一度に
この機械には、最大8個の金型を搭載できます。つまり、いろいろな曲げRが混在した製品でも、機械を止めて段取り替えをすることなく、一度に曲げきれるということ。
小さなRのドロー曲げと、大きなRのロール曲げ。これまで別工程・別々の曲げ、ときには溶接でつないでいた加工が、1台・1回の流れでまとまります。結果として、溶接レスで、とても効率よく製造できるようになります。
まとめ
ドロー曲げは小さなRを、ロール曲げは大きなRを。それぞれの得意を1台に集約し、最大8金型で切り替えながら曲げていく。だからこそ、複雑な曲げRの組み合わせも、つなぎ目なく仕上げられます。
溶接でつなぐ手間をなくし、1本のパイプで曲げきる。それが、この技術のいちばんの魅力です。

