経験に頼らない曲げへ。
― VGP3Dが変えるパイプ曲げ加工/11の問題と解決
パイプ曲げの加工は複雑なプロセスです。VGP3Dは、最も一般的な問題に簡潔な方法で対処し、ユーザーが正しく再現性の高い部品を製造できるよう支援します。ここでは、パイプ曲げで発生する代表的な11の問題と、その解決策をご紹介します。
- 金型の交換を減らせるか
- 試作品をより早く作れるか
- スプリングバックを経験なしに補正できるか
- 伸び:正しい材料長さを把握できるか
- 曲げ半径の変更を簡単に再計算できるか
- 溶接ビードの位置を確実に合わせられるか
- 新しい製品に適した金型があるか
- 衝突のリスクなく生産を開始できるか
- 端材やフランジ付パイプを安全に曲げられるか
- 3Dモデルから部品プログラムへ迅速に移行できるか
- 部品プログラムをCADファイルに書き出せるか
01 金型の交換を減らせるか
良い品質を得るには、曲げ機械と同様にパイプ曲げ加工用の金型も重要です。生産ロットが少ないと段取り替えの頻度が高くなり、時には1日に数回行うことも。従来の機械では、新しい金型を取り付ける際、部品の位置合わせやブースター力・クランプ力・コレット・プレッシャー型の調整などのセットアップ作業が必要でした。これらは、しわやクランプマーク、変形などの欠陥のない高品質な曲げに非常に重要ですが、手動調整は経験豊富なオペレーターでも時間がかかります。
VGP3Dは、軸位置やクランプトルクを含むすべての金型セットアップパラメータをプログラムに格納し、手動調整の時間を省きます。自動ツールキャリブレーションサイクルで、クランプ・プレッシャー型・コレットの作業位置を自動決定。BLM GROUP機ではクイックツールチェンジシステムにより、ツールセットの交換時間も大幅に短縮されます。
02 試作品をより早く作れるか
今日の市場では、受注生産の観点から試作品や少量のカスタムロットを迅速に作る必要が増えています。パイプ曲げでは、部品形状が異なると材料の伸び率やスプリングバックなどの補正量も異なります。油圧式や昔のCNCでは試行錯誤で微調整し、貴重な時間と材料を費やしていました。
BLMのパイプベンダー機では、VGP3D内部のデータベースの情報を使い、異なる部品形状でも材料の変位量を把握します。データベースにはマシン、ツールセット、そして最も重要なパイプの変位量(ドロー曲げかロール曲げか)の情報が含まれます。この機能で、新しいパーツをわずか数分で製作。3Dデータがあれば、図面のインポートや座標入力の時間もなく、最初から正しい部品が出来上がります。設計者・エンドユーザーが試作に立ち会い、必要に応じて変更を加えて設計を確定することも可能です。
03 スプリングバックを経験なしに補正できるか
どのプロセスでも、形状を変えるためにワークへ伝達されるエネルギーの一部は弾性エネルギーとして蓄積され、変形力がなくなると解放されて元の形状に戻ろうとします。パイプ曲げでは、これがスプリングバックの原因。目的の曲げ角度に達した後、曲げ力を取り除くと曲げ部がわずかに開きます。スプリングバックは固定値ではなく、材料・曲げ角度・直径・厚みなど多くの要因に依存し、従来は作業者が曲げのたびに試行錯誤で補正値を見つける必要がありました。
VGP3Dのデータベース「B_Tools」は、3種類の曲げ角度のスプリングバックを測定することで、任意の曲げ角度に対する補正量を算出。傾向が分かればそのデータは部品プログラムと一緒に保存され、将来、同じ材料の別形状の部品を曲げる際にも使えます。結果として、試行錯誤なしに最初から部品を製造できます。
04 伸び:正しい材料長さを把握できるか
パイプは曲げた後、決して最初の長さを維持できません。曲げると曲げた部分の材料が伸び、直線部分を含めた全長は理論モデルより大きくなります。さらにスプリングバックの影響も加わります。つまり、伸びで直線部分が長くなり、スプリングバックで短くなる――この2つの相反する効果で最終寸法が変化します。従来はオペレーターが試行錯誤で正しい寸法の部品を作る経験だけが解決策でした。
B_Toolsを使うと、VGP3Dは各直線部品の伸びを計算して座標を修正するので、試行錯誤なしに最初から正しい部品を作れます。また、全伸びを計算し、曲げ後に正確な長さの直線パーツを得るために、始めに切断すべき直線パイプの正確な長さをオペレーターに知らせます。生産バッチが急速に変化する場合に、材料や追加の切断工程を節約するのに非常に有効です。
05 曲げ半径の変更を簡単に再計算できるか
お客様の図面で指定された曲げ半径で部品を曲げるための金型を入手できないことがあります。多くの場合、金型の保有状況に応じて一定の範囲内で半径を変更することに同意いただけますが、中心線半径を変更する場合は、部品の最終寸法に合わせて曲げ座標を変更する必要があります。
VGP3Dは、直交座標(パイプの直線部分の交点の空間上の位置)や曲げ座標(直線部分の長さ、曲げ面の回転、曲げ角度)を効率的に処理できます。中心線半径が変化すると、一方の座標系での変更が自動的に他方の座標系でも瞬時に反映されるので、中心線半径を瞬時に変更できます。
06 溶接ビードの位置を確実に合わせられるか
曲げ加工中の溶接ビードの位置も、パイプの変形への反応に影響します。溶接工程は金属の機械的特性を局所的に変化させるため、溶接ビードの位置が異なるとスプリングバックの値も異なります。再現性のある結果には、溶接ビードの位置を常に同じにすることが重要です。位置合わせを作業者に任せると、ヒューマンエラーに関連する2つの問題(向きを変え忘れる/疲労で精度が落ちる)で不良品が生じる可能性があります。
穴や溶接ビードの検知機能で、VGP3Dは各サイクルの最初に自動的にパイプの方向を決め、アライメント精度を一定に保ちます。同じセンサーで、パイプ上の穴やマーキングの位置を特定し、最終部品に常に正しい位置で配置できます。
07 新しい製品に適した金型があるか
顧客から図面をいただいた後、部品のコストとリードタイムを一刻も早く算出しなければなりません。曲げ加工用金型の情報はリードタイムを決める重要な要素で、迅速な見積もりには、必要な金型セットの在庫の有無・完成品の有無・他機械での使用状況などを知る必要があります。金型の数が多いと、これらを迅速に把握するのは困難です。
BLM GROUPは、この問題を解決するために曲げ用金型管理ソフトウェアスイート「Tool Room」を開発しました。VGP3Dから直接アクセスでき、プログラムした部品の曲げに必要な金型キットの在庫を検索。適切な金型がない場合は、わずかな形状の違いで作れる代替品を提案します。金型が他機械で使われていないかを確認し、未使用なら金型のリクエストシートを作成して在庫からピックアップも可能。金型が存在せず類似品も使えない場合、Tool Designerで必要な金型の完全な機械図面を数分でダウンロードできます。受信後、金型製作に必要な時間を見積もり、コストとリードタイムを顧客に回答できます。
08 衝突のリスクなく生産を開始できるか
古いCNCや油圧式のパイプ曲げ機では、最初の部品を低速で曲げ、衝突がないか常に確認し、必要ならE-STOPボタンに手を置いて速やかに機械を停止させる必要があります。
VGP3Dは、ローディングとアンローディングを含む作業サイクル全体の現実的なシミュレーションを実行し、パイプ曲げ作業中に衝突がないことを確認します。シミュレーションでは、機械・金型・ローダー、およびアクセサリーやコンベヤベルトなどの追加要素まで、正しい寸法の3Dモデルを使用。実際の曲げサイクル中に機械上で起こることを観察している確信が得られます。
09 端材やフランジ付パイプを安全に曲げられるか
特に自動車・HVAC・産業車両・航空宇宙などの分野では、流体用のパイプが使われ、システムの最終組み立てにフランジやエンドフォーミングが必要になることがよくあります。これらの要素は、曲げサイクル中に機械や曲げ金型セットの一部と衝突する危険性があります。オペレーターが作業サイクルの実際のシミュレーションを行わない限り、衝突チェックは機械上で手動で行う必要があります。
VGP3Dでは、B_3D_Part機能で、追加するパイプの要素(フランジ、エンドフォーミングなど)の3Dモデルをインポートし、マシンサイクルをシミュレーション。衝突の可能性があればオペレーターに警告を出せます。
10 3Dモデルから部品プログラムへ迅速に移行できるか
油圧式や古いCNCのパイプ曲げ機では、オペレーターが部品プログラムを作成するのに長い時間がかかります。最も時間のかかる作業のひとつは、図面上の寸法を曲げ座標に変換することです。
B_Importを使うと、VGP3Dは部品のSTEPまたはIGESファイルをインポートして、曲げ座標を自動的に取得できます。曲げ加工機のモデルを選択した後、オペレーターは作業サイクルのシミュレーションを行い、完全に安全な状態で生産を開始できます。
11 部品プログラムをCADファイルに書き出せるか
検討中に、機械上で部品を曲げるために何らかの修正が必要になることがあります。プログラミング段階での変更も最終部品の形状に違いを生じさせる可能性があるため、顧客に受け入れてもらう必要があります。以前は、必要な変更を電話で顧客に説明するか、技術部門に機械図面へ反映させるよう依頼せざるを得ませんでした。
VGP3Dでは、その必要はもうありません。B_Exportを使うと、プログラミング中に加えた曲げ座標の変更を新しい3Dモデル(IGESまたはSTEP)でエクスポートし、顧客に送信して受理してもらえます。時間が大幅に節約され、不愉快な誤解が生じる可能性もなくなります。
結論
パイプの曲げ加工は複雑なプロセスです。VGP3Dは、最も一般的な曲げの問題を管理し、正しい部品と再現性のある結果を得られるようにします。経験に頼らずに、高品質で再現性の高いパイプ曲げを実現します。
試行錯誤の曲げから、データで支える曲げへ。実機見学やテストカットで、ぜひその実力をご確認ください。
VGP3Dを搭載したパイプベンダー機や、パイプ曲げでお困りのお客様は、BLM Group Japanが運営するパイプ加工機選定ナビへお気軽にお問い合わせください。実機見学・テストカットサービスも承っています。
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