光は、なぜ金属を 切れるのか?

Laser Cutting Basics

光は、なぜ金属を
切れるのか?

部屋を照らすやさしい光が、金属を一瞬で切り落とす道具になる。その不思議なしくみを、3分でやさしく解説します。

「光で金属を切る」と聞くと、少し不思議に感じるかもしれません。でも、そのカギは光を一点に集めることにあります。この記事では、そもそも光とは何か、レーザーはいつ生まれたのか、そして金属を切るしくみまでを順番に見ていきます。

Contents
  1. そもそも「光」って何?
  2. レーザーは、いつ発明されたの?
  3. 光が金属を切る「レーザー切断」のしくみ

そもそも「光」って何?

光は、私たちの身近でおもに3つの働きをしています。

01 照らす
02 明るくする
03 広げる

でも、光の力はそれだけではありません。光は“コントロール”できると、道具になります。

光は、歴史のはじまりからずっと人類のそばにありました。昼と夜のリズムをつくり、私たちに暖かさとエネルギーをもたらしてくれる存在です。人類は火から電球、そして近年のLED(発光ダイオード)まで、光を「作る」「使う」方法を学び続けてきました。

広く散らすと
部屋全体を明るく照らせます。やわらかく、あたたかい光です。
一点に集めると
その一点に大きなエネルギーが生まれます。これが“切る力”の正体です。

つまり、光を集中させて生まれるエネルギーこそが、光を加工に使える“道具”にしているのです。

パイプレーザー加工機LT7 加工サンプル
パイプレーザー加工機 LT7:加工サンプル

レーザーは、いつ発明されたの?

レーザーの歴史は、1950年代後半にさかのぼります。「LASER」という言葉は、今の産業用途で使われるような特別な光のビームを作れる、と最初に仮説を立てた一人の学生が名づけたものでした。その考えのもとをたどると、かのアルバート・アインシュタインの直感にまで行き着きます。

※LASER=Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(放射の誘導放出による光の増幅)の頭文字。

おもしろいのは、生まれた当初は「何に使えるのか、はっきりしていなかった」こと。いわば“答えを探している解決策”のような存在でした。動作を説明した最初の論文も、価値を理解されず一度は却下され、1960年にようやく科学誌『ネイチャー』に掲載されます。

1950s 「レーザー」という考え方が生まれる
1960 動作を説明した論文が『ネイチャー』に掲載
1970 最初の産業応用がはじまる
現在 医療・通信・計測・エンタメまで幅広く活躍

それからの約50年で、レーザーは医療、電気通信、計測、さらにはエンターテインメントまで、実にさまざまな分野に革命をもたらしました。

シートレーザー機LS5 加工サンプル
シートレーザー機 LS5:加工サンプル

光が金属を切る「レーザー切断」のしくみ

レーザー切断では、集中させた光の熱に加えて、もう一つの“相棒”が活躍します。それがガスです。使うガスの種類によって、切り方は大きく3つに分かれます。

ガスによる切り方の違い
酸素で切る 窒素で切る 圧縮空気で切る
しくみ 金属を燃やした熱で溶かす 溶けた金属を吹き飛ばす 空気で吹き飛ばす
切り口 酸化膜が残る(後処理が必要) きれい(そのまま溶接・塗装OK) 用途に応じて
コスト ガスは安いが後処理あり ガスは高く高出力が必要 安く、代替として普及中

もともと主流だったのは酸素を使う方法です。金属を燃やす(酸化させる)ことで熱を生み、レーザー出力がまだ低かった時代に、厚い材料を切るための力を補っていました。ただし切り口には酸化膜が残るため、あとで溶接や塗装をするときは、その膜を取り除く二次工程が必要でした。

やがてレーザーが高出力になると、窒素を使う「核融合切断」が登場します。窒素は燃やさずに、溶けた金属を吹き飛ばすだけ。だからレーザーの力を切ることにすべて使え、酸化膜のないクリーンな切り口が得られます。そのまま溶接や塗装ができるので、後処理のコストがかかりません。ガス代は高いものの、トータルでは得になるケースが増え、厚い材料でも窒素が好まれるようになりました。

さらに近年は、コストを抑えたい現場を中心に、圧縮空気での切断も代替手段として広がってきています。

シートレーザー機LS5 加工サンプル フライカット
シートレーザー機 LS5:加工サンプル(フライカット)

まとめ

やさしく部屋を照らす光も、一点に集めれば金属を切るほどのエネルギーになります。レーザーはその力をコントロールする技術として生まれ、ガスと組み合わせることで、用途に応じたきれいな切断を実現してきました。

光を集めて、操る。それが、金属を自在に切るレーザー切断の正体です。

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